NECとクレイ・ジャパン・インクは11月9日,大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台(以下,国立天文台)から,NECのベクトル型スーパー・コン「SX-9」と米Crayのスカラー型スーパー・コン「Cray XT4」で構成するスーパー・コンピュータ・システムを受注したと発表した。国立天文台三鷹キャンパスに設置する。用途は天文現象のシミュレーション。性能は従来システムの50倍に相当するという。

 今回受注したシステムの規模は,ベクトル型のSX-9が20プロセッサ構成で,処理性能はおよそ2テラFLOPS。スカラー型のXT4がクアッドコアのAMD Opteronを740基搭載して,性能はおよそ26テラFLOPSになる。なお,SX-9は,NECが2007年10月に販売開始したベクトル型の最新機種である。ベクトル型は分散処理に適さない大容量データのシミュレーションなどで使われてきた。一方のXT4は,x86系のコモディティCPUである米Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronを採用した超並列(MPP)機である。