ブロードバンド・サービスの高速化とさらなる普及には,FTTH(fiber to the home)をはじめとする光アクセス技術が欠かせません。本講座では,光ネットワークに関する技術を解説します。まず光ネットワークの現状をまとめます。

 光ネットワーク技術は,陸上や海底の長距離通信網として実用化されて以来,20年を超える実績を持っています。世界中の通信事業者が電話の基幹網として構築しました。いまや日本国内の光ファイバの総延長距離は約700万kmにも及びます。ただバックボーン・ネットワークという性格上,光ネットワークがユーザーの目に直接触れる機会はそれほどありませんでした。

 ここにきて,光ネットワークは身近な存在になりつつあります。家庭まで光ファイバを伸ばすアクセス・サービス「FTTH」の本格普及が始まろうとしているからです。

  • 第1回 アクセスとコアが進化の両論
  • 第2回 コアからアクセスへと広がる
  • 第3回 速くて安い「GE-PON」
  • 第4回 フルサービスのB-PONとG-PON
  • 第5回 装置構成が単純になる「SS」方式
  • 第6回 テレビ放送も光で提供できる波長多重
  • 第7回 北米で活発化するPONの導入
  • 第8回 光配線を簡単にする「FAコネクタ」
  • 第9回 光ファイバを遠隔から試験監視
  • 第10回 安価に波長多重を実現する「CWDM」
  • 第11回 ギガ超の次世代方式「WDM-PON」
  • 第12回 曲げに強い「ホーリー・ファイバ」
  • 第13回 テラビット/秒超の通信を支えるコア技術
  • 第14回 光コア網の基本プラットフォーム「OTN」
  • 第15回 光コア網を自在に運用できる「ROADM」
  • 第16回 メッシュ網を作る「光クロスコネクト」
  • 第17回 光ネットとIPを統合する「GMPLS」
  • 第18回 Tビット/秒超を実現するWDM最新技術
  • 第19回 光ネットの研究を支える「テストベッド」
  • 第20回 40GのWDMを支える高密度技術
  • 第21回 光信号をそのまま増幅する光アンプ
  • 第22回 光学素子を集積化する「PLC」
  • 第23回 発光波長を選べる「波長可変レーザー」
  • 最終回 「オンデマンド」になる光ネットワーク