「インターネット機能を備えるインテリジェント家電(smart appliance)市場は,これまでのところ伸びがいまひとつだが,まもなく成長に弾みがつく。市場は2000年から2005年にかけて年平均成長率は101%に達し,2005年には2000万台を超える規模に成長する」。米Cahners In-Statが米国時間5月23日に調査結果を発表した。同社が定義する「ネット対応家電」にパソコンは含まない。

 In-Stat社はネット対応家電市場を,「インターネット機能付き民生機器(ラジオやアナログTVなど)」「ネット対応白物家電」「電子メール端末」の三つのカテゴリに分類している。

 「2000年はネット家電市場にとって厳しい状況だったものの,参入企業は増えており,新製品も次々と投入されている。こうした現状から,ベンダー企業が同市場に対し消極的になっているわけではないことがうかがえる。ベンダーは成功や失敗の理由を明確化し,価格を据え置いたまま付加価値の高い機能の充実に力を入れ始めた。ただし,こうした新機能については,消費者にわかりやすく説明し,理解してもらうための努力も必要である」(In-Stat社アナリストのCindy Wolf氏)。

 In-Stat社によるその他の調査結果は以下の通り。

・ネット対応家電市場の成長には,インターネットや広帯域接続の普及率が大きく影響する。

・標準技術の策定により相互運用性が確保されるまで参入を見送るとする企業も少なくない。

・アナログのインターネットTV市場の伸び率が最も高く,年平均115%で成長する。

・将来的には,自動車のテレマティックス(無線データ通信システム)機器市場が急成長分野として期待できる。

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