調査会社の米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間4月26日に,「インターネット端末市場では,パッド型のモバイル・インターネット端末とデジタル・オーディオ受信機が大きく成長する」との予測を明らかにした。

 パッド型モバイル・ネット端末は2006年までに2310万台,78億ドル規模になる。また,デジタル・オーディオ受信機は2320万台,34億ドル規模に成長するとABI社は予測している。

 「パッド型ネット端末は現在25~30社のベンダー企業が開発を進めており,大手企業も力を入れている。また,オンライン音楽の利用拡大により,デジタル・オーディオ受信機市場も大きな成長が見込める」(ABI社副社長のNavin Sabharwal氏)。

 2001年中にパッド型モバイル・ネット端末が登場し始め,ヘルスケア関連や大企業向けなどコスト負担に問題のない垂直市場で拡大する。2002年には消費者向け市場も立ち上がり,米Microsoftや米Intelなど大手ベンダーが製品を投入する。ベンダーの多くは米Transmetaのx86プロセサを使う。米National SemiconductorのGeodeプロセサも多くの製品で利用されるという。

 ABI社によれば,IEEE802.11b,HomeRFともにコストが下がっており,消費者向けのパッド型モバイル・ネット端末の価格(アクセス・ポイントを含む)は700ドル未満に抑えられる,最終的には500ドルを割る水準まで下がるとしている。デジタル・オーディオ受信機は,HomePNAの電話線を用いたネットワーキング技術を採用しているものが多い。今後は電源線を利用するHomePlug規格に対応する製品も登場する。

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