米国のデジタル・メディア関連企業が米国時間4月3日に,インタラクティブTVサービスに関する調査結果を発表した。米国消費者が対象。米ACTV,米Liberty Livewire,米Motorola,米OpenTV,米Universal Electronicsが,米Boyd Consultingに依頼して行った調査である。

 調査の参加者は次の三つの方法でインタラクティブTVを体験した後に,回答した。

1)画面を二つ用意。TV番組と同期化したインターネット・コンテンツをTVと同じ部屋にあるパソコンに配信。

2)1台の画面に「オンスクリーン」で配信。インタラクティブなインターネット・コンテンツをデジタル・ケーブルまたは衛星放送用セットトップ・ボックスを通じてTVに配信。ピクチャー・イン・ピクチャーで視聴。

3)コンテンツを携帯型タッチスクリーン端末にダウンロードする能力を備えた「オンスクリーン」システムを用意。TVの視聴を邪魔することなく,インタラクティブな体験を個人で楽しむことができる。

 「1)の画面を二つ用意する構成が最も普及しており,インタラクティブTVサービスおよび番組に消費者を引き込むキッカケとなっている。しかし全体的に見ると,消費者が最も興味を示したのは3)の携帯型タッチスクリーン端末を組み合わせたオンスクリーン・システムだった」(Liberty Livewire社CEOのDavid Beddow氏)。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・一つの画面に重ねる方法と,TVとパソコンの二つの画面を使った方法は,調査対象者の2/3が両方とも大変気に入ったと回答。

・携帯型タッチスクリーン端末を使った方法は,消費者の76%が気に入ったと答えた。

・三つの方法のいずれかを使ったインタラクティブ・サービスとしては,「ニュース,スポーツ,天気予報などの情報入手」(52%),「インタラクティブTVガイド」(44%),「TV番組の隠れた情報を入手(38%)」,「電子メール利用」(37%),「ゲームまたはクイズ」(32%)などが挙げられた。

・一つの画面でTV映像にインタラクティブ・コンテンツを重ねる方法(ピクチャー・イン・ピクチャー)を使えば,現在利用しているサービスの満足度が高まるだろうとするデジタル・ケーブル利用者は64%,衛星放送利用者は57%。

・携帯型タッチスクリーン端末を追加した方法では,満足度が高まると答えたデジタル・ケーブル利用者は70%,衛星放送利用者は58%。

・アナログ・ケーブル利用者の47%は,一つの画面を使ったインタラクティブTVサービスが利用できれば,デジタル・サービスの利用に対する興味は高まると回答。

・端末を使った方法を体験して,デジタル・サービスへの移行に興味を持ったというアナログ・ケーブル利用者は64%。

・サービスを切り替えるとしたら,タッチスクリーン端末が付属したピクチャー・イン・ピクチャー方式を提供するデジタル・サービス(ケーブルまたは衛星)を選ぶ,という回答者は57%。

・衛星放送利用者の40%は,ピクチャー・イン・ピクチャー方式のサービスがケーブルでしか利用できないとしたら,デジタル・ケーブル・サービスに切り替えると回答。端末が付属したオンスクリーン方法では,この数字が42%に増加する。

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