米Allied Business Intelligence (ABI)が米国時間9月27日に,ナビゲーション・システムや高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transportation Systems)市場を調査した結果を発表した。

 それによると今後ITS業界で最も利益を上げる分野は「テレマティックス(無線データ通信システム)」だという。

 個人車両向けの車載情報システム(IVIS:in-vehicle information system)市場は2000年の10億ドルから2005年には80億ドルを超える規模に達する。そのうち30億ドル以上はサービス収入によるものと予測する。

 「多くの企業がIVISの動向をうかがっていたが,米General Motors (GM)のサービス『OnStar』と『ATX Technologies』がその有効性を確立した。2001年からいくつかの大手企業がIVIS市場に参入する。ハンズフリーの音声認識機能を備え,衛星ラジオやWWWベースで天気予報,ニュース,株式相場などの情報を提供するサービスも始まる。2001年にIVIS市場は急成長を始める」(ABI社アナリストのFrank Viquez氏)。

 OnStarとATX Technologiesを合わせた加入者数は2000年末時点で100万人にのぼるとみられる。またLoJack社,米国自動車協(AAA:American Automobile Association),Wingcast社(米Ford Motorと米QUALCOMMのジョイント・ベンチャー)などが2001年にIVISサービスを開始する予定である。

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