マイクロソフトは既にWindows CE for Automotive バージョン3.0(v.3.0)の開発を終えており,9月下旬からカーナビ関連ベンダーなどにOEM(相手先ブランドによる生産)販売する。2001年~2002年をめどに,同OSを搭載した車載情報システム製品が市場に登場する見通し。またフォーラムでは10月にも,主要関連技術の仕様を検討するいくつかの作業部会を立ち上げる。フォーラムには上記6社以外にカーナビ,家電,パソコン・ベンダーやNTTドコモなど27社が参加を表明しており,今後さらに多くの企業に参加を呼びかけていく。
Windows CE for Automotiveは当面,組み込みシステム向けOSとして提供される。v.3.0はSH4とx86アーキテクチャに対応しており,今後さらに多くのアーキテクチャをサポートする予定。v.3.0や今後部品化される主な機能には,カー・ナビゲーション,GUI(graphical user interface),音声認識,カー・オーディオなど車載機器とのインタフェース,ワイヤレス通信,インターネット接続などがある。
フォーラムは,ITS(高度道路交通システム)の実現を視野に入れながら,様々な機能を持った車載情報システムを低コスト・短期間で開発できるようにするのが当面の目標。だが,携帯電話やテレビなど様々な情報機器との連携も狙っている。記者発表の席で米マイクロソフトの古川享副社長は「例えばNTTドコモのiモードを使って提供されている様々な情報サービスを,車の中でより大きな画面で利用できるようにしたい」と話した。
(杉山 泰一=日経コミュニケーション)