「デジタル・カメラを所有する米国世帯数は,2000年にインターネット所有世帯の25%に達し,前年に比べ倍増した。2001年にデジタル・カメラを購入しようと計画を立てている消費者も多く,市場は2001年も前年並みの勢いで大きく伸びる」。米InfoTrends Research Groupが米国時間3月13日に調査結果を発表した。

 調査はInfoTrends社がインターネット環境を持つ米国の約1000世帯を対象に実施,回答を得たもの。

 「経済が失速しているにもかかわらず,デジタル・カメラの購入意欲は驚くほど高い。電子メールを使った共有やオンライン写真共有サービスの利用,自宅でのプリントなどに大きな関心を持っている。2001年には使い勝手のすぐれた低価格のソリューションが続々と登場する」(InfoTrends社のアナリスト,Michelle Lampmann氏)。

 価格帯でみると,「200ドル未満」のエントリ機が全体の20%を占めた。また,「無料でもらった」人も7%いた。2001年も解像度が低く価格を抑えたローエンド機が大きく伸びているという。初めて購入する予定の人が立てている予算は,平均で278ドルだった。

 また,ほとんどのデジタル・カメラ・ユーザーは銀塩カメラも所有しており,銀塩フィルムも用途に応じて使い分けている。デジタル・カメラの利用に伴い,「銀塩カメラを全く使わなくなった」という人は全体の10%だった。なお,InfoTrends社は2000年2月に「米国のデジタル・カメラ・ユーザは,2004年までに写真撮影を完全にデジタル化する」との予測を発表している。

 解像度の高い製品を使っている人は,プリントの枚数も多い。プリントは「自宅」が最も多いが「WWWサイトのプリント・サービス」や「オフラインの小売店」「写真キオスク」などの利用も増大傾向にあるという。

 ユーザーにとっての「懸念事項」としては,「ストレージの問題」が大きくなりつつある。「長期的なストレージ計画をすでに立てている」とした人は全体の約1/3にとどまった。CD-ROMを使う人が最も多く,このほかZipディスクやプリントのハード・コピー,オンライン・サービスなどが挙がった。

 なお,米Eastman KodakのCEO,Daniel A.Carp氏は2000年9月の講演で,「インターネットを加速させるエンジンは写真にほかならない。写真こそが世界規模で経済成長を押し上げる」と述べている。

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