「世界におけるカメラ販売のうち,デジタル・カメラのシェアは現在13%。銀塩カメラのシェアを大きく奪うとまでは至っていないが,デジカメ市場は安定した成長を果たし,今後銀塩カメラにとって代わる動きが顕在化することは間違いない」。米InfoTrends Research Groupが米国時間9月26日に調査結果を発表した。

 InfoTrends社は,1000ドル未満のデジタル・カメラ(玩具カメラを除く)市場は,出荷台数ベースで年平均成長率50%で拡大し,2005年には130億ドルを超える規模に達すると予測している。

 ディジタル・カメラの販売を地域別にみると,現在北米が市場をリードしており,2000年における販売では北米市場が世界市場の52%を占めるとみる。エントリ・レベルのカテゴリでは,2005年まで北米市場がリードを保つ。InfoTrends社は,主な要因として,北米市場で200ドル未満のエントリ機の伸びが著しいことを挙げる。

 日本は現在世界市場で23%のシェアを占め,北米に次いで第2位につけている。しかし,2005年までには欧州市場が日本のシェアを追い抜くという。

 ベンダ別でみると,オリンパス光学工業,ソニー,米Eastman Kodak,富士写真フイルムの4社が市場をリードしており,4社のシェアを合計すると市場全体の60%を超える。

 「これらのベンダ企業は,価格帯や機能などを含め,優れた製品開発によってマーケット・リーダーの地位を確立した。デジタル・カメラの利用が広がるにつれ,ベンダーは初心者向けに使い勝手を向上させ,かつ価格を抑えた製品を開発する必要がある。また上級者向けの機能豊富なモデルの提供も行っていくべき」(InfoTrends社アナリストの Michelle Lampmann氏)。

 ちなみにInfoTrends社は,「2000年における北米地域のデジタル・カメラ市場は,売上高ベースで19億ドルに達し,銀塩カメラを約10%上回る」との調査結果を5月に発表している。それによると出荷台数ベースで2000年の670万台から2005年には4200万台にまで市場は拡大,2002年の時点で銀塩カメラを台数でも追い抜くという。

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[発表資料]