写真●実体感教育のために強制的に燃焼させた冷蔵庫(日立アプライアンス)

 コンプライアンス強化やリスク管理、顧客満足度向上といった各種改革活動を推進しようとすると必ず浮かび上がる課題がある。それは「社員の当事者意識をどうやって高めていくか」。各社はここに共通の悩みを持っている。

 そうした心の変化を働きかけるには、品質管理ミスがもたらす事故の恐ろしさや、顧客の喜びや怒り、改善活動の楽しさ、といったものを体感してもらうことが効果的だ。様々な経営課題を解決していくうえで、社員一人ひとりの「当事者意識」は必要不可欠だ。

 では、各企業はどんな工夫をしているのか。効果的な方法は、社員の五感が刺激される経験を意図的に積ませることだ。そうした「体感の機会作り」の工夫を紹介していこう。

各社が実践する「体感の機会作り」

煙を嗅ぎながら延焼を体感「死に様試験」/日立アプライアンス

事故品の展示会で社員が鳥肌/富士ゼロックス

社長が聞き役、社員に響く「顧客の肉声」/オイシックス

大事な声は要約しない/コクヨ

長電話で味わう優良顧客の声/ネスレ日本

現物に触れて磨き抜く「使える陳列」/花王

実践不足を自覚させる「地獄のワースト席」/エレコム

「パートナーに体感の輪を広げよ」/バンダイ

「若々しさの保ち方」論じてカイゼン入門/コーセー

部下の怒りを想定する人事面談即興劇/日本ユニカー

職長の行動を体で覚える/ブリヂストン

監査のプロも「模擬経営」ゲームの結果に悲鳴/トーマツ

問題解決の成功体験味わう管理職研修/東京明販

記者の目

日立APが「死に様試験」をする理由

見える化の基準を疑え

苦情の定義を見直しCS向上/住友生命保険

事例データベース

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル
顧客対応履歴の肉声を公開 サービスの難しさを体感させる