OSSランキング
(2008年1月1日~12月14日)
1位 Ubuntu 8.04 LTS 日本語版Desktop正式リリース,パーティション分割なしでWindowsとデュアル・ブート
2位 島根県のホームページ管理システムがOSSとして無償公開,地元企業がRubyで開発
3位 低価格ノートPC「Eee PC」の国内出荷は1月25日,LinuxではなくWindows XP搭載で価格は4万9800円
4位 米EverexがEee PC対抗の低価格ノートPC「CloudBook」を発売,OSはLinux
5位 1年3ヶ月ぶり,最新KNOPPIX 5.3.1公開
6位 最新版KNOPPIXのCD版が登場
7位 Eee PC対抗の本命,「CloudBook」が国内登場!
8位 「コスト削減が狙いではない」、住友電工OpenOffice導入の真相
9位 「OpenOffice.org移行の理由はMS Office 2007での大幅な変更」---会津若松市情報政策課 本島氏
10位 軽量Linuxの新版「Puppy Linux 4.00」が登場
11位 Mozillaが最新版Webブラウザ「Firefox 3」を公開,ダウンロード件数は順調に増加
12位 注目集める「Ubuntu Linux」,デスクトップ版とサーバー版の違いを探る
13位 「Firefox 3 の灯」公開,ダウンロード状況を日本地図上に光と数字で可視化
14位 Eee PC対抗? 米HPが低価格小型ノートPC発表
15位 Fedora 9は速いか?遅いか?ベンチマークの測定結果
16位 「Eee PC」の保証基準が明らかに,メモリー交換は制限付きで認められる
17位 最新Linux「Fedora 9」が公開
18位 ヤマダ電機,主記憶を1Gバイトに増強したオリジナルの「CloudBook」を発売
19位 Linuxディストリビューション「Fedora 9」アルファ版公開,Ubuntu対抗か,Windowsマシンへのインストールを考慮
20位 最新版「CentOS 5.2」のライブCD版公開

 話題を集めたのは, Ubuntu, Ruby, OpenOffice.org, Firefox, 低価格ノートPC---ITproのオープンソース/Linuxテーマのニュースのアクセスランキングから明らかになった,2008年の傾向だ。

デスクトップLinuxはUbuntu

 ITproでは2008年に公開されたオープンソース/LinuxテーマのニュースのアクセスランキングTop20を集計した。1位となったのは,Ubuntu 8.04 LTS 日本語版Desktopが正式にリリースされたニュースだ。

 Ubuntuは英Canonicalが支援しているLinuxディストリビューション。GUIで多くの設定ができるユーザー・インタフェースと,洗練されたデザインが特徴だ。Ubuntuについては12位にも「デスクトップ版とサーバー版の違いを探る」という記事がランクインしている。後述する低価格ミニノートPCでも,採用されているLinuxはほとんどがUbuntuかUbuntuをベースにしたものだ。

島根県のRuby CMSがOSSに

 2位は島根県公式ホームページのコンテンツ管理システム「島根県CMS」がオープンソース・ソフトウエアとして公開されたニュースだ。島根県は,同県の松江市にRubyの作者まつもとゆきひろ氏が在住していることから,Rubyによる地域振興に力を入れている。島根県では2006年に同県のホームページをRubyで構築。その際に開発したのが島根県CMSである。開発を担当したのはまつもと氏がフェローとして在籍する地元企業,ネットワーク応用通信研究所だ。

日本でもLinux版ミニノート発売

 3位には低価格ミニノートPC「Eee PC」のニュース。2008年パソコン界の話題はEee PCを初めとするミニノートPCが独占したといっても過言ではないだろう。そして海外ではこれら低価格ノートPCのOSはWindowsとLinuxが両立した。低価格機ではOSのライセンス料が目立ってくるため,Linuxは有力な選択肢である。

 日本ではEee PCはWindows版のみが発売された。日本ではLinux版の数量が見込めない反面,ユーザー・サポートのための人員やコストが必要になることが理由とされる。しかし,デルはミニノート「Inspiron Mini 9」でLinuxディストリビューションであるUbuntuを選択可能にした。

 ミニノートPC関連のニュースは,このほかにも4位と7位,18位にCloudBookの記事,14位にHPのノートPCの記事,16位にEee PCの記事がランクインしている。

OpenOffice.orgでコスト削減

 8位と9位には,住友電気工業と会津若松市がOpenOffice.orgを導入したことに関する記事が続いた。

 住友電気工業は社内の基幹システムで数百台のLinuxサーバーを利用,ミドルウエアでもPostgreSQL,Tomcat,Xenなどオープンソース・ソフトウエアを採用しコスト削減などの効果を上げている。クライアントでもOpenOffice.orgを正式に標準ソフトウエアとして認定した。

 会津若松市は市庁舎のパソコンのオフィス・ソフトをOpenOffice.orgに移行する方針を発表しており,新しく購入したパソコン240台にはOpenOffice.orgのみを導入している。5年で1500万円のコスト削減を見込んでいるという。

Firefoxが世界記録を達成

 11位と13位にはFirefox3のニュースがランクインした。Firefox3は公開日の1日で何件ダウンロードされるかという記録に挑戦するイベントを実施。結果は24時間で800万件以上のダウンロードとなり,ギネスブックに世界記録として認定された。