写真1 KNOPPIX 5.3.1のデスクトップ
写真1 KNOPPIX 5.3.1のデスクトップ
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写真2 ネットワークから起動できる「InetBoot」
写真2 ネットワークから起動できる「InetBoot」
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 独立行政法人 産業技術総合研究所は2008年5月26日,ハード・ディスクにインストールせずにCDから起動して使えるLinuxディストリビューション「KNOPPIX5.3.1CD日本語版(LCAT対応)」(以下KNOPPIX5.3.1 CD)をリリースした(写真1)。

 KNOPPIX 5.3.1 CDはドイツのKNOPPIXの本家では公開されておらず,産業技術総合研究所が独自にカスタマイズしたもの。同研究所が2008年4月14日に公開した「KNOPPIX 5.3.1DVD日本語版(LCAT対応)」をベースにパッケージを削り,CDメディア(700Mバイト)に格納できるサイズに縮小した。LCAT(Live CD Acceleration Tool kit)を使うことでメディアからの起動時間を高速化した点はDVD日本語版と同じだ。

 KNOPPIX5.3.1 CD版では,統合デスクトップ環境の「KDE 3.5.9」や3Dウィンドウマネージャの「Compiz-Fusion 0.7.3」,Firefoxと互換のあるWebブラウザの「iceweasel 2.0.0.12」,Thunderbirdと互換のあるメール・クライアントの「icedove 2.0.0.9」,オフィススイートの「OpenOffice.org 2.3.1」,仮想化環境の「QEMU 0.9.1」などが収録されている。

 容量の制限があるため,DVD版に比べ多くのアプリケーションが削除された。例えば,統合デスクトップ環境「KDE 4」や仮想化環境の「VirtualBox OSE」,アクセシビリティの「ADRIANE Audio-Desktop」や「Orca」,Windowsのファイル・システム上にKNOPPIXをインストールする「install2win」などが削除された。

 また,DVD日本語版も修正版をリリースした。4月14日に公開したKNOPPIXと比べ,OpenSSLの脆弱性の問題の修正を施している。

 修正済みのDVD版では,ネットワーク上に配置されたイメージからOSを起動できる「InetBoot」も搭載した。InetBootは,HTTPを利用してサーバー上に配置されたイメージをダウンロードし,そのイメージを利用してOSの起動が行える。HTTP-FUSE KNOPPIX 5.1.1や同KNOPPIX 5.0.1などを起動可能だ。InetBootを利用して起動する場合はブート画面で「inetboot」を入力する。すると,起動メニューを表示するので,ここから起動したいKNOPPIXを選択すればよい(写真2)。