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「OpenOffice.org移行の理由はMS Office 2007での大幅な変更」---会津若松市情報政策課 本島氏

高橋 信頼=ITpro 2008/10/28 ITpro
会津若松市役所 総務部情報政策課 副主幹 本島靖氏
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 「OpenOffice.orgへの全面移行を決心した理由は,Microsoft Office 2007が以前のバージョンと大幅に変わったこと」---会津若松市役所 総務部情報政策課 副主幹 本島靖氏は2008年10月28日,IPAフォーラムの講演で同市のOpenOffice.org導入についてこう語った。

 本島氏は「我々はなぜOSSを採用したのか~果敢にチャレンジする理由と効果を探る」と題したセッションで講演。このセッションでは会津若松市のほか,IHI 情報システム部 新事業推進グループ部長 鏑木孝昭氏がSugarCRM導入について,ミクシィ 技術顧問の小山浩之氏がmixiでのオープンソース・ソフトウエア活用について講演した。

5年で1500万円のコスト削減を見込む

 会津若松市は2008年5月,市庁舎のパソコンのオフィス・ソフトをOpenOffice.orgに移行すると発表した。すでにOpenOffice.orgを全パソコンに導入済みで,更新したパソコン240台はOpenOffice.orgのみを導入している。

 同市がOpenOffice.orgの検討を開始したのは2003年。北海道の伊達市がOpenOffice.orgを導入するという報道がきっかけだった。2006年,IPAによる自治体へのOSS導入実証の成果報告を見て,全庁への導入に向けた検討を開始する。しかしこの時点では「自然に,徐々にOpenOffice.orgが増えていけばよいという方針だった」(本島氏)。

 その方針を変更したのは「MS Officeが2007で全面的に変わってしまった」(本島氏)ためだ。「ユーザー・インタフェースが変わり,標準のファイル形式もdocxなどに変わった。職員の教育が必要。全庁でライセンスを購入しているわけではないので一斉にOffice 2007にそろえることができない」(同)。

 「同じ費用をかけるのなら,前から検討していたOpenOffice.orgへの移行を実行しよう」---会津若松市はそう考え,全庁でのOpenOffice.orgへの移行を決意した。

 同市はOpenOffice.orgへの移行により,5年間で1500万円のコストを削減できると見ている。全パソコン840台のうち85%はMS Officeを購入する必要がなくなると推定している。

研修やヘルプデスク,導入作業は市職員が自ら

 移行にともなう職員の研修やヘルプデスク業務は情報政策課が行うため,費用としては計上していない。「ベンダーの研修を探してみると1名あたり3万円,500名とすれば1500万円だった。会津若松市では職員が講師を務めたので費用としての計上はゼロ」(本島氏)。ただしeラーニング教材は1名あたり800円で500ユーザー分購入した。ヘルプデスクは5月から9月までで31件の質問があり,最初のやりとりで要した時間は約1時間10分程度だった。10月から11月にかけてOpenOffice.orgを2.2.1から2.4.1にバージョンアップしたが,これも情報政策課の職員が行った。「従来から職員でやっている。ベンダーに頼むと1台3万円かかる」(本島氏)。

会津若松市役所職員の時間外労働
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 それでは職員は残業に追われているのかというとそうではない。2008年度の4月から8月の全職員平均時間外勤務は約10時間で前年と同じ。情報政策課だけ見ると約8時間で前年度より減っている。「無理な移行はしない。職員が従来やっていた業務の中でこなす」(本島氏)。

 会津若松市ではOpenOffice.orgへの移行と同時に,標準の文書フォーマットとしてODFを採用した。「ODFはZIP解凍すれば画像やXMLテキストが読め,将来にわたって必ず閲覧できる。2008年10月現在,実際にオフィス・ソフトで利用できるISO標準規格の文書保存形式」(本島氏)。すでに市のサイトからダウンロードできるファイルはほぼODFになっており,庁内を流れている文書も半分以上ODFという。これまでに作成した文書については「見るだけならビュワーが無償で提供されている。移行作業は特段行っていない」(同)。

 OpenOffice.orgとMicrosoft Officeは非互換な部分もある。例えば,職員からは点線が使えないという問い合わせが寄せられた。「点線が使えなくとも,薄い線などで代用すればだいたいそれで事が足りる場合が多い」(本島氏)。OCR向けのフォントであるOCRBが使えないという問題があったが,OCRBを使っているのは数字だけだったため,代替フォントを作成した。作成したソースは会津若松市のホームページで公開している。またマクロが使えないという問題に対しては,移行作業を行っている。

 会津若松市はOpenOffice.org以外にもオープンソース・ソフトウエアを活用している。独自システム開発にPHP,Rubyを採用しているほか,同市のサイトはオープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)であるZope/Ploneを利用している。「ベンダーのCMSはパッケージは数千万円」(本島氏)。同市では,初期費用負担の小さいオープンソース・ソフトウエアであれば地元の小規模なIT企業でも参入が容易になるため地域振興につながると期待している。

 本島氏は「政府機関の積極的な対応に期待したい。まずは選択肢としてODFの採用を」と呼びかけた。

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