米Siebel Systemsが,CRMアプリケーション・スイートの新版「Siebel 7.7」をフランスで現地時間4月21日に発表した。新版では23分野の特定業界向けアプリケーションを用意し,ソリューション数は70種類以上,アプリケーション数は490種類以上あるという。新版は同日より利用可能とし,全ソリューションの出荷を同時に始める。

 Siebel 7.7は,各業界の販売/マーケティング/サービス業務用として包括的なエンド・ツー・エンド・ソリューションを提供する。各ソリューションに含まれるアプリケーションは,すべて単一の標準的なアーキテクチャ上で動作する。

 同スイートのような特定業界に特化したCRMソリューションのメリットについて,Siebel社は米META Group副社長のSteve Bonadio氏による以下のコメントを引用して説明する。「業界から切り離せない固有のプロセスや仕組みとうまく合致するソリューションに対し,需要が高まっている。その結果,1つであらゆる業界に対応可能なCRMアプリケーションは,組織にとって時代遅れになりつつある。垂直CRMソリューションを導入すれば,コストのかかるプログラム改造作業の必要性が大幅に減るのは確実で,最終的に総所有コスト(TCO)削減につながる」

 新版は,Microsoft Outlookとの統合機能を強化したという。これにより,Siebel 7.7のアプリケーション内で使用するカレンダーとしてMicrosoft Outlookを設定できる。さらに,Siebel 7.7のデータベースとMicrosoft Outlook内のデータを双方向に連携可能なほか,Siebel 7.7とMicrosoft ExchangeのあいだでSiebel Exchange Connectorを使ったスケジュール/アドレス帳/ToDoリストの同期が行える。

 また,同日の米Microsoftの発表によると,Siebel 7.7はMicrosoft .NET関連技術への対応が強化されたという。主な強化項目としては,「Siebel Universal Application Network(UAN)」での電子商取引向けサーバー「Microsoft BizTalk Server 2004」対応,「Microsoft Windows Server 2003」への新規対応,「Microsoft Operations Manager(MOM)」によるSiebel 7.xの管理作業省力化,「Siebel Handheld 7.7」による「Windows Mobile software for Pocket PCs」対応,「Siebel 7.7 Analytics」の「Microsoft SQL Server 2000」への最適化がある。

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[発表資料(Siebel社)]
[発表資料(Microsoft社)]