「CRM(Customer Relationship Management)が主流となる前に早期導入した金融サービス企業には,次世代のCRMが必要だ」。米Gartnerの一部門であるGartnerG2は,CRM市場に関する調査分析を米国時間9月3日,発表した。

 GartnerG2社調査ディレクタのKimberly Collins氏は,「すでにCRMの基盤を固めている金融サービス企業は,続々と登場する新たなCRMアプリケーションやツールを導入し,競争の最前線で活躍できるようさらに能力を高める必要がある」と説明する。

 金融系サービス企業にとって注目すべき新たな分野としては,コール・センターのテキスト・マイニング,イベント・トリガー設定とプロファイリング,リード管理,最適化,マーケティング情報管理,シナリオ生成,最新情報を反映した価格ツール,およびパートナー関係管理(PRM)の8種類がある。

 これらの最新ソリューションを率先して導入することで,顧客の絞り込みや販売強化につながると同時に,CRM戦略をさらに社内に浸透させ,提携先に対しても同戦略を展開できる。

 Collins氏は,保険会社や投資会社など仲介型の金融サービス企業はPRM(Partner Relationship Management)に重点を置くべきだと述べている。「PRMソリューションにより,全体的な顧客戦略を実現し,価値連鎖を生みだすことができる」(同氏)

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