米Microsoft，Pocket PC向け新プラットフォーム「Windows Mobile 2003」を発表

早坂利之

2003.06.24

　米Microsoftが米国時間6月23日に，モバイル機器向けプラットフォームの新版「Windows Mobile 2003 software for Pocket PCs」を発表した。「無線ネットワーク接続の簡素化，デジタル・メディア対応の強化，Microsoft .NETサービス／アプリケーション構築への対応など機能強化を図った」（Microsoft社）とする。同社は，同プラットフォーム用のソフトウエア開発キット「Windows Mobile 2003 Software for Pocket PCs Software Development Kit（SDK）」も同日正式にリリースした。

　また同社は同日，Pocket PCやSmartphone（スマートフォン）といったモバイル機器向けソフトウエアに「Windows Mobile」と呼ぶ新ブランドを付けることも明らかにした。Windows Mobile 2003 software for Pocket PCsは，同ブランドの最初の製品に当たる。

　Windows Mobile 2003 software for Pocket PCsについて，同社は「Pocket PCソフトウエアの中核機能を強化した」と説明する。主な強化内容は以下の通り。

・無線ネットワーク：
　Wi-FiネットワークやBluetooth対応PANを自動検出でき，容易な接続を可能とする

・メッセージング機能：
　リリース予定の「Microsoft Exchange Server 2003」により，電子メールの常時同期機能が利用可能となる。内蔵キーボードに標準対応することで，ハードウエア機能を刷新する

・デジタル・メディア対応：
　「Windows Media 9 Series」に対応することで，携帯機器向けにファイルを変換する必要がなく，そのままPocket PCで写真／音楽／動画を楽しめる。「Windows Movie Maker 2」または「Plus! Photo Story」で作成した動画やアルバムの再生が可能。「Plus! Sync & Go」に対応することで，デジタル・コンテンツをインターネットやパソコンと同期できる

・プラットフォーム強化：
　「Windows CE .NET 4.2」「Microsoft .NET Compact Framework」に標準対応しており，開発ツール「Visual Studio .NET 2003」を使うことで，WebサービスやXMLを活用するアプリケーションの開発が可能となる

　なお米Dell Computer，米Hewlett-Packard（HP），日本ビクター（JVC），東芝，米Gatewayは同日，Windows Mobile 2003 software for Pocket PCs対応機器のリリースについてそれぞれ発表している。