米Microsoftは,今後の製品構想と技術ロードマップについて米国時間3月16日,明らかにした。「企業が分散システムの設計,導入,運用を自動化し,全社的システムの管理や安全性確保にかかるITコストと手間を削減できるよう支援する」(Microsoft社)

 同社は,アップデート・サービス「Windows Update Services」のベータ・バージョンを同日リリースした。「Software Update Services 1.0」の拡張版で,Microsoft社が提供するパッチやアップデートを管理する。「SQL Server」「Exchange Server」「Office 2003」「Office XP」のアップデート機能を強化した。

 また,管理ソフトウエアの新版「Microsoft Operations Manager(MOM)2005」が最終テスト段階に入った。使いやすさを向上し,業務監視とWebサービス管理に対応する。廉価版の「MOM 2005 Express」は「Windows Server System」向けのシンプルな監視機能を提供する。ベータ版を同日リリースしている。

 その他,以下の製品について発表した。

・Windows Server System向け統合管理スイート「System Center 2005」。MOM 2005をはじめ,システム管理サーバー「Systems Management Server(SMS)2003」や新たなレポーティング・システムなどで構成する。現在,ベータ版の段階に進んでいる。

・SMS 2003向け拡張機能:デバイス管理用の「Device Management Feature Pack」は,「Windows CE」「同Mobile」を搭載したデバイスの管理を可能にする。OS実装用の「OS Deployment Feature Pack」は,IT担当者用デスクトップ・パソコンのベアメタル復旧を可能にする。

 なお,Microsoft社は上記の製品を,長期的構想「Dynamic Systems Initiative(DSI)」の一部と位置づける。DSIでは,開発段階にあるアプリケーションの管理性を向上し,製品ライフ・サイクルを通じて開発者,ITプロフェッショナル,エンドユーザーが密に連携する環境を目指す。

 米Accentureの調査によると,IT担当者は業務時間の最大70%を既存のシステムの保守に費やしているという。Microsoft社は,DSIによりシステムのアップデートやアプリケーションのインストールを自動化し,この割合を55%まで低減できるとしている。「ソフトウエアの管理を徹底的に強化することで,顧客が最大限の投資回収を得られるようにする」(Microsoft社Windows Server部門上級バイス・プレジデントのBob Muglia氏)

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