米Microsoftは「Microsoft Office System」の一般提供を始めると米国時間10月21日に発表した。Microsoft Officeの2003版を中心とし,スイート製品6種類,単体製品11種類,サーバー製品4種類,サービスとSolution Acceleratorsをそれぞれ1種類リリースする。

 Microsoft Office Systemは,同社のプロダクテイビティ・プログラム,サーバー,サービスの総称。同日提供を発表した製品の内容は以下の通り。

【Office 2003スイートに含まれるアプリケーション】
・Microsoft Office Word 2003
・Microsoft Office Excel 2003
・Microsoft Office PowerPoint 2003
・Microsoft Office Access 2003
・Microsoft Office Outlook 2003

【単体アプリケーション】
・Microsoft Office Project 2003
・Microsoft Office FrontPage 2003
・Microsoft Office Publisher 2003
・Microsoft Office Visio 2003
・Microsoft Office InfoPath 2003
・Microsoft Office OneNote 2003

【サーバー】
・Microsoft Office Project Server 2003
・Microsoft Office Live Communications Server 2003
・Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003
・Microsoft Exchange Server 2003

【サービス】
・Microsoft Office Live Meeting

【Solution Accelerators】
・Microsoft Office Solution Accelerators

 Office Systemについて,Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト(CSA)のBill Gates氏は「情報ワーカーにとって大きな前進」と述べる。「コミュニケーション,情報検索/共有,複雑なプロジェクトの管理について画期的な手法を提供することで,情報ワーカーの生産性を向上させ,より多くの利益を得られるようにする」(同氏)

 同社は,Office System導入で生産性向上を実現できることを示すため,米Navigant Consultingの調査結果を引用した。それによると,情報ワーカーはOffice Systemを使用することで,就業時間を延長することなく1週間当たり平均2時間分多くの作業を処理できるようになるという。「企業の視点で見ると,従業員1人当たり4000ドルの効果が得られ,8カ月間で導入経費の元を取れる」(Navigant Consulting社)。なお調査の詳細は,Microsoft社のWebサイトに掲載している。

 またMicrosoft社は,米META Groupが行ったExchange Server 2003に関する調査結果も引用した。主な内容は以下の通り。

・ユーザー数4万5000人の企業がExchange Server 5.5からExchange Server 2003に移行すると,年間運用コストを約60万ドル削減できる。

・削減の内訳は,サイトの集約の効果でサーバー関連費用が54%減,サーバー管理/維持費用が51%減となる。

 なお米メディアの報道(InfoWorld)によると,Exchange Server 2003の価格はExchange 2000 Serverと変わらず,「Standard Edition」が699ドル,「Enterprise Edition」が3999ドル。クライアント・アクセス・ライセンス(CALs)は67ドルで,ボリューム・ディスカウントも用意する。

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[発表資料(Office System)]
[発表資料(Exchange Server 2003)]