米Microsoftは3月18日,米ラスベガスで開催の「Microsoft Management Summit」で,Windows用システム管理サーバーの新版「Microsoft Operations Manager(MOM)2004」を発表した。MOM 2004は,システム管理における展開と運用という重要部分の改善を施している。MOM 2004で管理できるのは,Windows Server 2003/Windows 2000 Server,Active Directory,.NET Frameworkのほか,BizTalk Server,Exchange Server,SQL Serverを含むMicrosoftの全サーバー製品である。同社はMOM 2004を,Application CenterやSystems Management Server(SMS)といった他のWindows向け管理製品を補完するツールとして位置付けている。

 「MOM 2004は顧客からのフィードバックによって生まれた製品です」とMicrosoftのエンタープライズ・マネージメント部門担当の副社長Kirill Tatarinov氏はいう。「顧客は,優れた運用管理を簡単かつ迅速に実現することによって,投資を素早く回収できるソリューションを求めています。MOM 2004は,MOM 2000の優れた部分を土台に作られました。Microsoftが持っているWindowsアプリケーションに関する知識をつぎ込み,あらゆる規模の企業にとってシステム管理を革新的なものにします」と述べている。

 MOM 2004には,新しいレポーティング・エンジンや,警告を表示する新しい管理コンソール,展開と設定にかかる時間を数日間から数時間へと削減できる数多くの設定自動化オプション,「インスタンス・アウェア・モニタリング」「クラスタ・サポート」「ステート(状態)・ベースのモニタリング」といったタスクに対応した新しい管理パック――など数多くの新機能が含まれる。

新構想「Microsoft System Center」を発表

 MOM 2004は製品ラインアップ上,SMS 2003などを含むMicrosoftの新しい統合マネジメント・ソリューションである「Microsoft System Center」の一部分に位置付けられる。Tatarinov氏によると「Microsoft System Centerは,デバイスからデータベースに至るあらゆる範囲を効果的に管理したい顧客に対して,価値ある管理シナリオを提供します」という。「われわれのゴールは,エンタープライズ分野の顧客に対して,Windows環境の管理コストを削減する包括的な管理ソリューションを提供することです」(Tatarinov氏)。

 同社によれば,Microsoft System Centerは,完全で統合された管理ソリューションを提供できるように,ゆっくり時間をかけて進化するという。そのソリューションの範囲は,システムの変更と設定の管理,資産管理,エンド・ツー・エンドのアプリケーション管理,ITプロセスの組織化,パフォーマンス管理,レポーティング,キャパシティ・プランニングまでが含まれるという。