米Salesforce.comは米国時間4月13日に,CRMソフトウエアの新版「salesforce.com Spring '04」の出荷を発表した。「カスタマイズ機能を強化し,企業や業界特有のニーズに応えられるようにした」(同社)
salesforce.com Spring '04には,オンデマンドのカスタマイズ・ツール「salesforce.com Studio」とアプリケーション・モジュール「Custom Tabs」を付属する。ユーザーはCustom Tabsを利用して,既存のタブの名称を変更できるほか,オンデマンドで新しいタブを作成できる。また,salesforce.com Studioでは,Webページ,データ入力フォーム,機能拡張などのカスタマイズをクリックするだけで行えるという。
また新版では,「Products」「Contracts」「Solutions」の3つの新たなタブを提供するほか,11カ国の言語,時間帯,通貨にオン・ザ・フライで対応できる。
Salesforce.com社会長兼CEOのMarc Benioff氏は,「salesforce.com Spring '04は,世界で最もカスタマイズしやすい製品といっても過言ではなく,CRMの概念を大きく前進させるものだ」と述べた。
salesforce.com Spring '04には,次世代オンデマンド・プラットフォーム「sforce 3.0」が含まれる。sforce 3.0ではWebサービスとの親和性を高め,salesforce.com Spring '04を自由にカスタマイズ,統合,拡張できるようにした。
カスタム・オブジェクトを強化し,ユーザーがカスタマイズしたsalesforce.comのデータにAPI経由でアクセスできるようした。また,WebサービスAPIの拡張により,salesforce.comデータをほぼリアルタイムで閲覧し,ローカル管理できるようになったほか,SOSL(Sforce Object Search Language)によってフルテキスト検索が可能になった。
「sforceは,Webサービスを活用した企業向けプラットフォームとして普及しており,業界の標準となりつつある」(Benioff氏)
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