米PeopleSoftは,「PeopleSoft EnterpriseOne CRM 8.9」のリリースを米国時間11月12日に発表した。新版では,グローバルな運用に向けた機能を強化しており,5つの対応言語を追加するとともに,サービス注文で複数の通貨に対応するようになった。製品や物的資産の製造,組み立て,提供,管理を行なう企業にとって理想的な製品となっている。

 EnterpriseOne CRM 8.9は,J.D. Edwards 5の技術をベースにした「PeopleSoft EnterpriseOne」ファミリ製品の一部。サプライチェーン管理の「EnterpriseOne Supply Chain Management(SCM)」,財務管理の「Financial Management(FM)」,人材管理の「Human Capital Management(HCM)」を統合している。正確な情報を,適切な人に適時に届けらるため,企業は顧客ライフサイクルにおいて,すべてのインタラクションを最適化できる。

 新版では,グローバル企業へのサポートを強化している。対応言語にスウェーデン語,オランダ語,デンマーク語,フィンランド語,ノルウェー語を追加した。サービス注文において,顧客はローカルの通貨で商品やサービスの料金を入力できるようになった。そのため,国境を越えた複数のコンタクト・センターの一元化が可能になる。また,Unicodeと2バイト文字にも対応するようになったため,EnterpriseOneスイートのアプリケーションに格納するUnicodeデータを見られるようになった。

 その他にも,マルチチャネル・インタラクション・マネージャは,顧客情報の利用方法を改善している。例えば,顧客サービスにおいて,接客する前に顧客の履歴を見ることができる。インテリジェントな検索機能などを提供している。

 また,保証請求を自動化しており,手続きと対応時間を短縮してデータの流れを改善する。モバイル販売機能は,ローカルのデータベースと同期化する必要がある情報量を格段に削減して同期速度を大幅に改善している。

 PeopleSoft EnterpriseOne CRM 8.9は,直ちに利用可能。

◎関連記事
米PeopleSoft,「PeopleSoft Connect 2003」にて新製品,強化したサポート・ポリシーを発表
米PeopleSoftと米IBM,Basel IIソリューションで提携,また欧州に向けたCLRプログラムを拡張
米IBMと米Siebel,オンデマンドでWWWベースのCRMサービス提供に向け提携
「CRMを早期に導入した金融サービス企業には,次世代のCRMが必要」と米Gartner
「ROIを実現できないCRMプロジェクトの原因は,企業幹部の不適切な判断」と米Gartner

発表資料へ