米PeopleSoftは,金融サービス機関がBasel II(新自己資本比率規制)に準拠するためのリスク管理ソリューション提供で米IBMと提携した。PeopleSoft社が米国時間10月20日に発表した。IBM社は,PeopleSoft社の財務アプリケーション・スイート「PeopleSoft Enterprise Financial Management」と同社の「Risk and Compliance」構想を組み合わせて,金融サービス機関のBasel II準拠とリスク管理戦略の開発を支援する。

 IBM社のRisk and Compliance構想には,同社の金融サービス・コンサルティング,ミドルウエア,ハードウエア,インテグレーション・サービスが含まれる。金融機関は,データの収集,格納,算出,報告される方法を包括的に把握できるようになる。PeopleSoft社の「Profitability Management」製品は,分析機能を提供する。

 Basel IIにより,金融機関は,リスクの監視,管理と詳細に渡る報告が義務付けられており,複数システムからの情報の収集,分析,監視を行なわなければならない。両社によるBasel IIソリューションは,リアルタイムの金融情報をバックエンドの分析と組み合わせて企業全体のリスク管理分析を提供する。

 また,両社は,欧州における通信サービス・プロバイダ市場に向けて両社の「Customer Loyalty and Retention(CLR)」プログラムを拡張することも同日発表している。両社のLoyalty and Retentionソリューションは,売り上げ管理データと顧客関係管理(CRM)プロセスを統合する。同ソリューションにより,通信サービス企業の顧客の確認,獲得,保持を支援する。

 IBM社は,同ソリューションにおいて「IBM Service Provider Delivery Environment(SPDE)」を含む技術と統合サービスを提供する。SPDEは,通信事業者がコストを抑えて新しい音声,テキスト,インターネット・サービスを導入する柔軟性を得るためのフレームワーク。PeopleSoft社は,「Communications and Customer Behavior Modeling」アプリケーションにCRMを提供する。

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