米Oracleが米国時間3月1日に,2000年11月~2001年2月期(同社会計年度の2001年第3四半期)の決算が事前の予想を下回ると発表した。

 同社が発表した速報値によれば,売上高は前年同期比およそ9%増にとどまり,1株当たり利益(株式売却益を除く)はアナリストによるファーストコール0.12ドルを下回る0.10ドルとなる見込み。前年同期は0.08ドル。営業利益率は33%で,前年同期の31%を上回る見通し。

 ライセンス収入が約6%増と振るわなかった。またアプリケーション販売でも,事前の予想75%~100%増を下回る50%増にとどまる見込み。データベース製品の販売はほぼ横這いもしくはやや減となる。

 「ライセンス事業は11月から12月にかけては好調だったものの,米国経済の減速を受けて多くの顧客企業がIT投資を控え始めたことが影響した。欧州市場およびアジア太平洋地域は依然として好調である。問題は米国経済」(Oracle社CEOのLarry Ellison氏)。

 「景気の先行きが不透明で,売り上げが回復する時期については何とも予測し難しい。今後も事業プロセスにおける電子商取引ソフトウエアの導入を拡大して全分野にわたってコストを切りつめ,経営効率を高めていく」(Oracle社CFOのJeffrey O.Henley氏)。

 Oracle社は正式な決算発表を3月15日に予定している。

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