米Texas Instruments(TI)が米国時間2月26日に,2001年第1四半期の業績が事前の予測を下回る見通しであることを明らかにした。売上高は2000年第4四半期から20%の減少となる見込み。当初の予測は前期比10%減だった。

 一時的な経費を除いた営業利益率は前期と比べて6~8ポイント低下(当初の予測は5~6ポイント減)とみる。

 同社は2000年第4四半期末に市場の急激な失速に見舞われた。顧客の需要が低下し在庫がだぶついた。当期はいまだ状況が回復せず顧客が引き続き発注の調整を行っているため,状況は好転しないという。

 TI社は当期の初頭からコスト削減策を実施に移している。いくつかの分野における製造工場の一時的稼動停止や就労時間の短縮,TI社全体にわたるレイオフなどである。さらに自主退職プログラムも同日発表した。

 同社は,2001年の投資を前年の28億ドルから30%削減し,20億ドルに抑える計画を明らかにした。しかし研究開発部門への投資は引き続き強化し,2001年は17億ドルの予算を充てる。昨年の予算は16億ドルだった。

 「DSP製品向け300mmウエーハ製造,アナログ製品向け200mmウエーハ製造,0.13μmルールの半導体製造技術などに焦点を当てた投資を進める」(TI社会長,社長兼CEOのTom Engibous氏)。

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