米Xeroxが2000年第4四半期と通年の決算を発表した。第4四半期の売上高は前年同期比13%減の48億3000万ドル。前年は55億2400万ドルだった。収支は,1億1900万ドルの純損失を計上,中国事業の売却益に関する特別費用を除く1株当たり損失は(希薄化後)31セント。前年同期は,純利益2億9400万ドルで,1株当たり利益は同41セントだった。

 「機器の販売が24%増と好調だったものの,企業間での競争激化や市場での経営環境が悪化していること,販売上の生産性に問題があったことなどから全体としては売り上げが振るわず,前年の水準に達しなかった」(Xerox社)。

 2000年通年の売上高は,前年比5%減の186億3200万ドル。特別経費を除いた純利益は前年比92%減の1億1700万ドル。リストラ費用などの特別費用を含むと3億8400万ドルの赤字。1株当たり(希薄化後)では63セントの損失となった。前年は純利益ドル14億2400万ドルで,1株当たり利益1ドル96セントを計上していた。

 「当社の2000年末時点におけるキャッシュ・バランスは約17億ドル強。2001年末までにさらに10億ドル規模のコスト削減計画を実施する。経営再建策の実行については2000年第3四半期よりすでに順次進めており,第4四半期には従業員の2000人削減するなど,すでにリストラ策全体の1/3を完了した。2001年第1四半期中にさらに4000人を削減する」(Xerox社会長兼CEOのPaul A. Allaire氏)。

 同社に関しては経営を危惧する“噂”が流れており,2000年10月13日には,欧州市場で流れた「米連邦破産法11条(日本の会社更生法に相当)の適用を申請する」とのうわさを否定する発表を行った。

 第3四半期の決算発表時(2000年10月)には,20億~40億ドル規模の資産売却を発表し,その第1弾として同12月に中国/香港の事業を富士ゼロックスに売却している。このほか売却の対象として,富士写真フイルムと共同出資している富士ゼロックスの所有権,Xerox Engineering Systems部門,ContentGuard社やInxight社などの関連会社における所有株などを挙げた。

 さらに1月10日には,米GE Capitalから4億3500万ドルの資金調達を受けることを明らかにした。GE Capital社が,Xerox社の英国におけるリース事業の受取債権を担保に資金を提供する。Xerox社は今後18カ月間にわたって4億3500万ドルを受け取る。また両社は,Xerox社の欧州の顧客に向けた融資事業に関しても協議中であることも明らかにした。GE Capital社がXerox社の顧客に対して機材調達のための融資を行う。

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