フランスのThomson Multimediaと米VeriSignは,デジタル・コンテンツの認証および承認に関するオンデマンド・サービスを共同開発する。両社が現地時間で11月23日に明らかにしたもの。サービスの提供開始は2005年半ばを予定する。「エンターテインメント会社や電気通信社といったコンテンツ・プロバイダが,映画,音楽,ゲームなどのデジタル・コンテンツを安全に配信できるようにするのが狙い」(両社)

 VeriSign社がネットワーク・セキュリティ技術と,大規模なインターネット・トランザクションの認証インフラストラクチャを提供する。同社は現在,これらの技術やインフラを使って,40万以上のWebサイトと約11万8000のオンライン小売業者をサポートしているという。

 一方Thomson社は,コンテンツのセキュリティ,管理,配信に関するノウハウを提供する。同社は,映画館向けのオンライン配信サービスを手掛ける米Technicolor Digital Cinemaを所有しており,デジタル・コンテンツの圧縮,暗号化,配信,保存,再生などに関して実績を持つ( 関連記事)。

 両社はまた,デジタル・コンテンツの安全な認証および承認と,家庭向け各種ネットワーキング機器同士のシームレスな相互接続性の提供に向けて,独自仕様の技術を開発する。両社によると,既に概念実証は済んでいるという。

 Thomson社会長兼CEOのFrank Dangeard氏は,「信頼できるソリューションの開発によって,コンテンツ所有者,オンライン小売業者,消費者から成る健全なエコシステムと,エンターテインメント配信における新しいビジネス・モデルの構築を加速できるはず」と説明する。

 またVeriSign社会長兼CEOのStratton Sclavos氏は,「広帯域ネットワークを通じたエンターテインメント・サービスは,通信サービス・プロバイダが目を向けるべき大きな潜在性を秘めている」と述べる。

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