民生電子機器,コンピュータ,携帯電話機などを手掛ける大手企業17社が集まり,ネットワーク接続した機器間におけるデジタル・コンテンツの共有に向けて,非営利のワーキング・グループ「Digital Home Working Group(DHWG)」を設立した。DHWGが米国時間6月24日に明らかにしたもの。

 DHWGの参加企業は以下の通りである。富士通,米Gateway,米Hewlett-Packard(HP),米Intel,米IBM,ケンウッド,中国のLenovo,松下電器産業,米Microsoft,NECカスタムテクニカ,フィンランドのNokia,オランダのRoyal Philips Electronics,韓国のSamsung,シャープ,ソニー,仏伊合弁STMicroelectronics,フランスのThomson Multimedia。

 広帯域接続環境と広帯域対応機器の普及により,消費者は家庭内のさまざまな機器で,音楽,写真,ビデオといったデジタル・コンテンツを閲覧,管理,共有するようになった。しかし,さまざまな標準やメディア形式が混在しているため,設定や管理が煩雑となっているのが現状。

 同グループの目標は,消費者が 有線/無線ネットワークを通じて,家庭内のパソコン,テレビ,セットトップ・ボックス,プリンタ,ステレオ,携帯電話,PDA(携帯情報端末),DVDプレーヤといった機器間で,デジタル・コンテンツを容易に共有できるようにすること。その実現に向けて,業界のオープンな標準規格を基に,相互接続性を可能にするフレームワークを構築し,技術設計に関するガイドラインを作成する。「今から1年以内に,ガイドラインに準拠した製品を市場に送り出せるようにしたい」(DWHG)

 DHWGはガイドラインの作成にあたり,IP,UPnP,Wi-Fi(IEEE 802.11b)など,業界ですでに普及している技術を利用する。新たに策定される標準技術や,既存の標準技術の改訂版もガイドラインに取り込む予定という。国際的な標準化団体が承認したオープンな標準仕様や,公正な条件のもとライセンスされているIPを基盤とすることで,相互接続性を確保するという。

 また,作成したガイドラインをもとに,認定プログラム,証明ロゴ,マーケティングやプロモーションの実施なども検討し,これらを参加企業に利用できるようにする。

 DHWGでは,「ガイドラインに準拠した製品は,民生電子機器,モバイル機器,コンピュータ分野にさまざまなビジネス・チャンスをもたらし,参加企業によるネットワーク対応機器やソフトの開発が加速されるだろう」と説明する。

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