インタラクティブTV技術を手がけるベンダーなど24社が米国時間6月12日に,セットトップ・ボックス(STB)に組み込むLinuxの標準化を行う業界団体「TV Linux Alliance」を結成したことを明らかにした。

 仕様の策定により,STB市場におけるLinuxベースの製品・技術の拡大を促す。シカゴで開催中のCATV関連の展示会「NCTA(National Cable Television Association) Cable 2001」で発表したもの。

 メンバー企業は,米ACTV,カナダATI Technologies,米Broadcom,米Concurrent Computer,米Conexant,独Convergence Integrated Media,米DIVA, 米Excite@Home,米iSurfTV,米Liberate Technologies,米Lineo,米MontaVista,米Motorola,米nCUBE,米OpenTV,英Pace Micro Technology,米Qpass,米ReplayTV, 伊仏STMicroelectronics,米Sun Microsystems,米TiVo,アイルランドTrintech,米TV Gateway,米WorldGate Communicatoins。

 TV Linux Allianceは,デジタルTVにLinuxベースのミドルウエアやデバイス・ドライバを組み込むためのAPIを策定し,2001年中にリリースしたいとしている。仕様は,CATV業界の研究開発機関である米CableLabのOpenCable Application Platform(OCAP)や,欧州の地上波デジタル・テレビ放送の標準化団体Digital Video Broadcastが提供するMultimedia Home Platform(DVB-MHP)など,現在広く利用されている標準技術に対応させる。

 API仕様を策定することで,チップセットやミドルウエアの開発期間を短縮でき,STB向けアプリケーションの組み込みも簡易化できる。ネットワーク事業者は多数のベンダー企業の製品から選択できるようになる。

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