米Jupiter Media Metrixが米国時間3月26日に,米国のインタラクティブTV(ITV)市場を調査した結果を発表した。市場は2005年末まで年平均83%で普及が進み,約4600万世帯で導入されるようになるという。

 ちなみに,オンラインを利用する家庭の同期間における増加率は年平均9%。しかし最初からすべての市場でインフラや技術が利用可能になるわけではないため,インタラクティブTVの普及は地域によって差が生じる,とJupiter社は指摘する。

 「番組作成者や広告主は地理や技術による地域ごとの条件の違いを把握し,地域の視聴者に適した番組やサービスの提供に取り組むべきである」(Jupiter社アナリストのLydia Loizides氏)。

 主な調査結果は以下の通り。

・米国におけるインタラクティブTVの普及率は2005年に欧州全体を上まわる。しかし,英国,ドイツ,スウェーデンは米国と同様の普及状況をみせ,普及率はそれぞれ37%,38%,40%となる。

・今後2年間は特定の技術プラットフォームが市場を支配することはなく,MicrosoftTV,Liberate,OpenTV,PowerTVなどがシェアを分け合うかたちとなる。

・ケーブルや衛星を利用したインタラクティブTVサービスが2005年末まで市場を牽引する。2005年における導入家庭はケーブル利用が約2600万世帯,衛星利用が約1500万世帯に達する。

・インタラクティブTVの番組制作者は今後1年~1年半にわたって,スポーツやゲーム・ショー,ニュースなどインタラクティブ機能が効果を発揮する番組に積極的な投資を続けるべきである。

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