アナログ放送からデジタル放送への移行は世界的な傾向となっており,そこで必要となるデジタル・セットトップ・ボックス(デジタルSTB)の市場は,今後急速な拡大が見込まれる。米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間12月12日に,このデジタルSTBに関するレポート「Digital Set-Top Boxes: World Markets, Architectures and Vendors」を発表した。

 レポートによれば,世界のデジタルSTBの稼動台数は1999年に4400万台だったが,2005年には累計で3億3900万台に達する。金額ベースの市場規模は2005年には210億ドルになるとABI社は予想している。

 デジタルSTBは,テレビ番組の受信機というだけではなく,エンターテインメントとコンピューティング,広帯域インターネット・アクセスの3要素を兼ね備えた家庭用情報端末と位置づけられる。

 1999年末時点でデジタルSTBのユーザーの76%がデジタル衛星放送の加入者だった。デジタル衛星放送のプロバイダは,今後も着実にユーザー数が増えるとみる。2005年までに北米だけで,加入者数は2600万人に達すると予測する。

 デジタル衛星放送に次ぐのが,デジタルCATVサービス。2005年時点で世界のデジタルSTBの40%がCATV対応となるとABIではみている。

 そして第3のうねりは,地上波デジタルTV(DTV)放送の普及によって生ずる。その時期は,世界各国でDTV放送が始まる2003年以降となる。

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[発表資料]