「米国のCATV事業者がユーザーに動画や音声/データ・サービスを提供するため,ネットワークのアップグレードに積極的に取り組んでいる。システムのアップグレードを促す要因としては,顧客による高速インターネット接続サービスの需要が最も大きい」。米Cahners In-Statが米国時間3月7日に調査結果を発表した。

 高速インターネット・サービスを提供しているCATV事業者の割合は90%以上に達し,1999年の32%から急速に拡大した。

 またCATV事業者は,デジタルTV番組の拡充にも力を入れており,64%が「今後24カ月以内に5チャンネル以上を提供する」と回答している。「30チャンネル以上を提供予定」とした事業者も18%あった。

 しかし,デジタル・サービスにアクセスするためのデジタル・セットトップ・ボックス(STB)を所有している世帯は全体の約15%にとどまっており,導入が始まった段階だとIn-Stat社は指摘している。

 その他の調査結果は以下の通り。

・CATV事業者の42%が「24カ月以内に光ファイバを100マイル(約161km)以上に延長する」と回答。光ファイバに積極投資する姿勢が明らかになっている。

・ケーブル・テレフォニ・サービスを提供している事業者が全体の28%と著しく増大している。1999年後半の時点ではわずか3%だった。「2001年末までにサービスを開始予定」も20%あった。

・デジタル地上波放送については,「64値QAM(Quadrature Amplitude Modulation=直交振幅変調)」方式を採用している事業者が全体の44%で最も多い。「256値QAM」が25%だった。

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