仏Alcatel,スウェーデンEricsson,米Motorola,ドイツSiemensはスウェーデン時間5月29日に,「EMS(Enhanced Messaging Service)」への取り組みについて4社が協力体制を敷くことを明らかにした。各社の製品間におけるEMSの相互運用性の確保とEMS仕様の普及促進で協力し合うもの。

 EMSは,携帯電話などで提供している文字メッセージ・サービス「SMS (Short Messaging Service)」を拡張するもの。SMSに画像やメロディー,アニメーションといった新しい機能を追加する。これによりユーザは画像の収集やユーザ間での交換,着信音やメロディーのサービスなどを楽しめるようになる。

 EMSはオープンな仕様として公開するため,通信事業者やコンテンツ提供者などが各種の付加価値サービスを提供できるようになる。例えばインターネットを介してスクリーン・セーバーや画像,メロディーをダウンロード配布するといったサービスを提供できる。EMSのメッセージは,既存のSMSと同じインフラを使って送受信できるため,事業者の投資を最小限に抑えながら迅速な導入が可能になると4社は説明する。

 なお4社はEMSを,これまでのSMSサービスと,さらにマルチメディア化を進めるMMS(Multimedia Messaging Service)の移行期を担う重要なステップと位置づけている。

 EMSは,次世代通信システム「IMT-2000」仕様策定を進めている3GPP (3rd Generation Partnership Project)が規定している仕様である。なお3GPPはSMSの標準化にも携わっている。

 4社は,2001年第2四半期の終わりにもEMSに対応した携帯電話機の出荷が始まるとも見込んでいる。

 ちなみに4社によると,SMSは2001年1月末現在で,全世界で1カ月あたり200億通のメッセージが送受信されるまでに普及したという。

 モバイル・インターネットに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「モバイル」で詳しくお読みいただけます。

◎関連記事
無線ショート・メッセージ広告に“初”の規格,無線広告の業界団体が定義
エリクソン,モトローラ,ノキアがモバイル向け“IM”仕様を共同開発へ
米マイクロソフトと米モトローラ,ページャ使う電子メール/IMサービスで提携
無線インスタント・メッセージングは生産性を高め,仕事の流儀を変える
無線インスタント・メッセージング,普及の課題は相互操作性
マルチメディア・データのモバイル機への無線配信は時期尚早,焦るべきでない
次はモバイル・データ・サービス! シスコやノキア出身者がベンチャー設立
3GPPが3Gモバイルのデータ同期化サービスに「SyncML」プロトコルを採用
携帯電話機はポケットからカバンの中へ
米META Group社がWAP携帯電話の限界を指摘,高付加価値データ端末としての利用には疑問 

[発表資料へ]