第3世代(3G)無線インターネット関連の標準化組織3GPP(Third Generation Partnership Project)が将来のモバイル・データ同期化サービスにおけるプロトコルとして「SyncML」の採用を決定した。モバイル環境でのデータ同期の標準化を進める業界団体SyncML initiativeが提案していたもので,3月の3GPPの総会「3GPP TSG-T」で決定した。SyncML initiativeがフィンランド時間3月29日に明らかにしたもの。

 これによりSyncMLは「IrMC」に代わり,「3GPPリリース4」における単独のWAN(wide area network)同期化ソリューションとなる。

 「3GPPが,3Gサービスにおいて世界で通用する標準規格と相互操作性の必要性を認めたことは喜ばしいことだ。我々は各種業界団体とつねに協力し合い,モバイル・データ同期化サービスに向けた最高の技術の確保を目指す」(SyncML Initiative会長Douglas Heintzman氏)。

 SyncML Initiativeによれば,SyncML対応の製品およびサービスは,モバイル環境での自由度を高め,個人データの同期化やあらゆる対応製品とサービス間の相互操作性を実現するという。消費者やビジネス・ユーザーは,企業向け個人情報管理,インターネット・カレンダ,インターネット・アドレス帳など,さまざまなアプリケーションやサービスを使って,モバイル端末の個人データを同期化できるようになる。

 SyncML initiativeは2000年2月に,米IBM, フィンランドNokia, 米Palm, 英Psionなど7社が,複数のプラットフォームやネットワーク間で個人情報や企業内データの同期をとるための標準仕様作りと普及促進を行うとして立ち上げた業界団体である(関連記事)。スウェーデンのEricssonや松下電器産業,米Lotus Development,米Motorola,米Starfish Softwareもスポンサー企業として参加している。さらに600社以上の主要無線関連企業が支持を表明している。

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