モバイル環境でのデータ同期の標準化を進めている業界団体SyncML iniativeが,米国時間12月7日に,仕様「SyncML 1.0」をリリースしたことを明らかにした。これに合わせ,「SyncML Reference Toolkit」のソース・コードの提供も始めた。

 モバイル環境において,電子メールやカレンダ,スケジュール,企業データベースといった情報の同期をとることを目的とする。プラットフォームやベンダーに依存しない。携帯電話やPDA,ノート・パソコン,WWWサーバー,企業サーバー間でのデータの同期に焦点を当てる。

 SyncMLはExtensible Markup Language (XML)ベースのプロトコルを使うほか, MIME, vCard,iCalendarといった標準仕様を援用する。赤外線,Bluetooth,HTTP,WAPなどにも対応する。

 「モバイル端末やサーバーのインフラでの相互運用性を高める。モバイル・インターネット・サービスの中核となるもの」(SyncMLの副会長,Ilari Nurmi氏)。

 機器ベンダーやアプリケーション開発者,インターネット企業,無線通信事業者などに提供する。SyncML対応の製品やサービスは,2001年第1四半期にも登場する見込み。

 SyncMLは2000年2月に,米IBM, フィンランドNokia, 米Palm, 英Psionなど7社が,複数のプラットフォームやネットワーク間で個人情報や企業内データの同期をとるための標準仕様作りと普及促進を行うとして立ち上げた業界団体である。スウェーデンのEricssonや松下電器産業,米Lotus Development,米Motorola,米Starfish Softwareもスポンサー企業として参加している。

 さらに英Symbian,米Excite@Home,英BT CellNetなど500社以上が「サポーター」として参加している。ドラフト版を5月末に発表していた。「立ち上げから仕様のリリースまで1年足らずで順調に開発を進めることができた」(SyncML)。

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