米Motorolaと米Oracleが米国時間12月5日に,両社の無線技術を統合した「MObileBlueprint Version 1.0」をリリースしたことを明らかにした。mコマース向けなど無線アプリーケーションおよびシステムの開発・導入に向ける。一般企業をはじめ,キャリア,ISP(Internet Service Provider),アプリケーション・ソフトウエア開発会社などに提供する。

 両社は共同で専用のWWWサイトを開設した。「既存の電子商取引アプリーケーションなどを,容易かつ迅速に無線通信向けに拡張できる。開発期間の短縮やコスト低減が図れる」(両社)。

 両社は,2000年2月にOracle社が無線ポータルの子会社「OracleMobile.com」を設立した際に,無線インターネット・サービスに関して提携関係に入っている。今回の共同開発は,この提携関係を拡大するものとなる。

 「MObileBlueprint」は,五つの要素から成る。
(1)Motorola社のWAP対応サーバー・ソフト「WAP and Voice Server」+Oracle社の無線データベース管理システム「Oracle9i Application Server Wireless Edition」
(2)コアとなる無線インターネット・プラットフォーム
(3)アプリケーション開発環境
(4)実装/組み込みガイドライン
(5)システム条件コンポーネント

 このうち(1)の「WAP and Voice Server」+「Oracle9i」は2001年初め,残りの4つは2001年夏の提供を予定している。

 「MObileBlueprint」のコアとなる(2)の無線インターネット・プラットフォームは,Motorola社の音声/データ・サービス向け通信プラットフォーム「Mobile Internet Exchange (MIX)」,と,Oracle社の「Oracle9i AS Wireless Edition」を統合するもの。

 「MIX」には,「WAP & Voice Servers」をはじめ,同期化ソフト「TrueSync SyncML Server」,管理ソフト「Operations, Administration & Maintenance (OA&M)」などを含む。一方の「Oracle9i Wireless」には,「Oracle8i Database」や「Internet Directory」を含む。なお,Oracle社は,すでに2月の両社提携時に,自社の無線ホスティング・サービス向けにMotorola社のMIXを採用している。

 両社は,モバイル技術の開発者コミュニティの立ち上げをはじめ,共同マーケティング,新規事業の構築などでも協力する。さらに,WWW対応携帯電話機やPDAなどの携帯端末に向けて,WAP,VoiceXML,SyncML,Bluetoothといった無線技術に対応する電子商取引アプリケーションの開発も行っていく。

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[Motorola社の発表資料]
[Oracle社の発表資料]