スウェーデンのEricsson,米Motorola,フィンランドのNokiaがスウェーデン時間4月26日に,モバイル向けインスタント・メッセージング(IM)の取り組みで協力体制を敷くことを明らかにした。

 3社は,モバイル向けインスタント・メッセージングとプレゼンス・サービスにおける共通仕様を定義し,普及を促すためのプロジェクト「Wireless Village」を立ち上げた。3社はプロジェクトへの参加を業界に呼びかけている。

 同プロジェクトが策定する仕様は,モバイル機器間だけではなく,固定されたインターネット機器とのあいだで,インスタント・メッセージやプレゼンス情報を交換するときに用いる。ここでいうプレゼンス情報とは,ユーザーが「オンラインかオフラインか,あるいはビジー状態か」「現在位置は家か,会社か」「ユーザーの機嫌は良いか悪いか」といったことを指す。

 「携帯電話機,ページャ,PDAといったモバイル機器でのチャットやインスタント・メッセージングは互換性のある基盤が存在しない。そのため,サービスは限られたものになっている」(3社)。

 Wireless Villageはアーキテクチャやプロトコルの仕様をはじめ,テスト仕様およびツールも提供する。モバイル向けインスタント・メッセージングとプレゼンス・サービスにおける適合性と相互操作性をテストするためのプロシジャやツールを定義する。

 インスタント・メッセージングは,SMS (Short Messaging Services),MMS (Multimedia Messaging Services),WAP (Wireless Application Protocol),SIP (Session Initiation Protocol),XML (Extensible Markup Language)などのプロトコルや標準規格をベースにする。ユーザー認証やアクセス制御といったセキュリティ機能にも対応させる。第2世代(2G)と第2.5世代(2.5G)のほか,第3世代(3G)無線ネットワークでの用途を視野に入れる。

 Wireless Villageは年内に仕様を公開する計画である。また,Wireless Villageの仕様に対応した無線機器や無線サービスの相互操作性の検証でスポンサーを務める意向である。Wireless Villageの詳細な情報はWWWサイトに掲載している。

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[www.ericsson.netに掲載の発表資料]
[press.nokia.comに掲載の発表資料]