米Yahoo!が米国時間5月8日に,IM(インスタント・メッセージング)サービス「Yahoo! Messenger」の新版の提供を始めた。新版では,パソコンから電話に発信するインターネット電話機能に国際電話サービスを追加した。

 利用料金は国別で異なり,米国から発信する場合,イタリアで1セント,日本で6セント,エジプトで45セントなど。

 Yahoo! Messengerの「call」ボタンをクリックして電話番号を入力するだけで,世界各国に電話がかけられる。「Yahoo!Phone Card」機能により,通話の履歴や料金の一覧も提供する。

 Yahoo! Messengerの新版には,国際電話サービスのほか,「Yahoo!Address Book」機能やアーカイブ機能なども追加した。新機能の詳細は以下の通り。

・アドレス帳情報送信機能
 「Yahoo!Address Book」に保存されている自分の電話番号や電子メールなどの連絡先情報を,友人リスト(Friends List)の掲載された友人に送信する。

・ニックネーム作成機能
 友人リスト(Friends List)に保存した名前が判別しやすいよう,ニックネームを加える機能を追加した。

・アーカイブ機能
 テキスト・ベースのIMによる“会話”内容のアーカイブを作成する。時間がたってからも必要なときに参照できる。

・テキスト・メッセージに表情を加える「スマイル」マークに,8種類の新しいマークを追加した。従来版では6種類を提供していた。また,リストにはないが,特定のキーを組み合わせると表示される「隠れスマイル」も6種類を用意。

 Yahoo! Messengerは,パソコンのほか,Palm機やWindows CE搭載機などの携帯情報端末やWAPベースの携帯電話機など無線ネットワークでも利用できる。

 米Gartnerが5月1日(米国時間)に発表した予測分析によれば,IMユーザーは現在の2300万人から2003年には1億8000万人に急拡大するという。米America Online(AOL),米Microsoft,Yahoo社の三つ巴によるIM戦争は2003年に決着がつくとしている。

 Yahoo!社はネット電話サービスに関し,VoIP技術を手掛ける米Net2Phoneと提携し,サービスの提供を受けている。 ライバルの米MicrosoftもNet2Phone社と提携しており,同社の「MSN Messenger」では国際電話サービスを2000年11月からすでに提供している。

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