米Excite@Homeや米MicrosoftのMSNなど,インスタント・メッセージング(IM)業界の主要メンバが米国時間7月21日に,米AOL(America Online)の提案したIM技術仕様に抗議する内容の白書を発表した。
AOL社は今年6月に,インターネットの標準化機関IETF(Internet Engineering Task Force)にIM技術の標準仕様案を提出していた。今回の白書ではAOLの仕様案を分析し,その問題点を洗い出した。
それによると,AOL社はIM市場で90%のシェアを獲得しているにもかかわらず,他社製IMソフトからのAOL社IMネットワークへのアクセスを遮断している。これについてAOL社は,「ユーザのプライバシ保護とセキュリティのため」を理由として挙げる。またAOL社の基準を満たしたソフトについては,「誠意をもって速やかに取り組む」としている。
しかしこれは,同社が今後も他社製ソフトを拒絶するための口実であり,行為を正当化するためのものに過ぎない結論づけている。根拠の一部として以下を挙げる。
・AOL社はプライバシ保護とセキュリティ問題の懸念を挙げているが,提案書のなかでソフトの互換性とこれらの問題を関連づける証拠を示していない。
・他社ソフトがAOL社の独自プロトコルを使っているということは,そのソフトはAOL社のサービスと同等のプライバシ/セキュリティ基準を満たしていることになる。
・事実はこれと異なり,他社製ソフトにはAOL社よりもプライバシ/セキュリティ基準が高いものがある。しかしAOLのメンバと通信する場合に,この高い技術を使えない状態になっている。
白書は,IMソフトの互換性問題とプライバシ/セキュリティ問題はトレード・オフの関係にはならないと主張するとともに,「乗り入れに誠意をもって取り組む」としたAOL社の声明は事実に反するとしている。
白書に署名したIM業界のメンバには以下の企業・団体がある。
Alibiris,Activate,Excite@Home,CarParts.com,iCAST,MSN, MyWay.com,Odigo,OneCore,Qualcomm,Red Gorilla,Talk City, Tribal Voice,Vicinity,Wynd Communications,yesmail.com。