米Eastman Kodakと三洋電機が米国時間4月26日に,デジタル写真技術に関し,クロスライセンス契約を結んだことを明らかにした。ライセンス料については明らかにしていない。

 Kodak社は三洋電機が自社の特許技術を侵害しているとして,三洋電機とその顧客企業数社を連邦地裁に提訴していたが,今回のクロスライセンス契約の締結により,これを取り下げた。

 Kodak社は,デジタル・カメラ技術のライセンス供与を受ける。一方の三洋電機は,画像の圧縮技術やオートフォーカス技術などの画像処理技術,OLED(Organic Light Emitting Diode)などのディスプレイ技術を保有する。

 なお両社は1999年2月に,低温ポリシリコン有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイの共同開発に関し,提携関係に入っている。今回の契約により従来の提携関係をさらに拡大する。

 両社はオンライン写真サービスやデジタル画像印刷などでも協力体制を敷く。Kodak社の「Print@Kodak Internet」や「Kodak PhotoNet Online」などのインフラやサービスを利用する。

 「デジタル画像向けの機器やインフラ,メディア,サービスなどで両社が力を合わせることで,事業機会の拡大を図る」(両社)。

 Kodak社は2001年初めにデジタル・カメラの特許技術のライセンシング・プログラムを開始し,すでにオリンパス光学工業と同様のクロスライセンス契約を結んでいる。この際にデジタル・カメラ・メーカー数社と契約交渉を進めていることも明らかにしていた。

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