米Gartner GroupのDataquestは米国時間4月9日,アジア太平洋地域のモバイル・インターネット市場に関して調査した結果を発表した。

 それによると,2000年末時点でアジア太平洋地域の携帯電話加入者は2億3000万人に達したという。1999年の1億5100万人から52%増加した。地域全体を牽引したのは中国で,携帯電話加入者は1999年の4330万人から2000年には8530万人に急増した。

 「政府の後押しにより中国の携帯電話市場は拡大している。市場競争が増え,機器やサービスの価格が低下し,プリペイド・サービスの急速な普及も進んでいる。加入者の増加がこれ以上は加速しないとしても,増加しつづけることは間違いない。新たな事業者も登場する。また,世界貿易機構(WTO)への加入も追い風だ。中国が堅調に成長するのは明らかである」(Dataquest社アジア太平洋地域モバイル調査グループ業界アナリストのAnn Liang氏)。

 中国以外の国も好調である。2000年におけるフィリピンの携帯電話加入者は前年比132%増の630万人。インドは同97%増で,310万人を超えた。

 「停滞状態が数年間続いたインドで,やっと加入者が大幅に増え始めた。インドは今後数年で中国と同様の成長パターンをたどるとみられる。競争が激しくなり,合併や買収,提携などが進むだろう」(Dataquest社インド・モバイル調査部門業界アナリストのKobita Desai氏)。

 携帯電話加入者の増加に加え,アジア太平洋地域全体にわたってモバイル・インターネット・サービスの需要が増えている。定期的にモバイル・インターネットを利用するユーザは,2000年末時点で推定3440万人にのぼった。2000年9月末から29%増加している。日本と韓国がアジア太平洋地域のモバイル・データ市場を牽引しており,ユーザー数はそれぞれ2680万人と700万人だった。

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