米Strategis Groupが米国時間3月19日に,中国の無線市場に関して調査した結果を発表した。中国における携帯電話サービス加入者は現時点で,全人口の6.8%程度に過ぎない。
中国の無線市場は2000年~2007年に年平均成長率(CAGR)21.6%で拡大し,2007年の携帯電話サービス加入者は3億3400万人に達する。
「沿岸地帯の裕福な省や大都市周辺での普及が市場の成長を牽引する」(Strategis Group社Asia Pacific Office地域ディレクタのOliver Tan氏)とみる。
急速な成長の主な要因としては,携帯電話サービスの全体的なコスト低下,市場競争,プリペイド・サービスの急速な普及,革新的なサービスの登場などが挙げられる。中国における携帯電話サービス加入者は,2000年末時点の8500万人から2001年末には41%増の1億2000万人に達するとみる。
■中国における第2,第2.5,第3世代(2G,2.5G,3G)携帯電話サービスの加入者数推移:2000~2007年(単位:100万人)
1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | |
2G | 38.1 | 84.9 | 118.1 | 150.8 | 182.0 | 209.4 | 234.4 | 255.7 | 274.3 |
2.5G | - | 0.3 | 1.2 | 3.8 | 8.6 | 16.6 | 25.2 | 33.6 | 39.0 |
3G | - | - | - | - | - | .9 | 3.6 | 9.8 | 21.0 |
合計 | 38.1 | 85.2 | 119.3 | 154.6 | 190.6 | 226.9 | 263.2 | 299.1 | 334.2 |
出典:Strategis Group社
携帯電話サービス加入者全体における2G加入者の割合は,2000年の97%から2007年には82%まで縮小する。それに対し2.5/3G加入者の割合が,0.3%から18%に拡大する。
3G標準規格ではWCDMAが有力とみる。しかしWCDMAが中国で唯一の標準規格となるわけではない。たとえば今年中にTD-SCDMAのトライアルが始まる可能性が高い。
パソコンを介したインターネット利用の普及は,携帯電話機の普及を下回る。そのため,有線を利用した新規インターネット・ユーザーより無線を使った新規インターネット・ユーザーの方がはるかに多くなる。
「モバイル・インターネット向けコンテンツ・プロバイダやモバイル・サービス事業者にとっての課題は,魅力的なアプリケーションやマルチメディア・コンテンツを常に提供できるサービス開発を継続することだ」(Strategis Group社Asia Pacific Office上級アナリストのPoh Kwee Heng氏)。
モバイル・インターネットに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「モバイル」で詳しくお読みいただけます。
◎関連記事
■「2003年に2.5G/3Gインフラ機器の売上高が2Gを超える」と米調査
■マルチメディア・データのモバイル機への無線配信は時期尚早,焦るべきでない
■Northstreamが3G事業の将来予測を発表,「セキュリティの現状は大きな問題ではない」
■米マイクロソフト,3G対応のスマートフォン向けソフト「Stinger」を披露
■「業界は3Gネットワーク導入に楽観的,問題はハンドセットの供給不足」---。と英国の調査
■「米AT&Tの発表がキッカケで米国の携帯電話でGSMが急成長」と米社が予測
■「モバイル対応WWWサイトは使い勝手の面などで発展途上」と米社調査
■「2002年末までに無線インターネット・アクセスが有線を超える」IDC調査
■2004年には出荷される携帯電話機の90%以上がインターネット・アクセス可能に。ABI予測
[発表資料へ]