米RHKが米国時間3月6日に,「北米の宅内用DSLのユーザー数は2000年の220万世帯から2004年には1860万世帯に拡大する」との予測を発表した。

 RHK社によれば,ADSLが年平均71%で成長し,2004年までに宅内用広帯域接続サービス市場の50%に達するという。

 2000年末時点における広帯域接続サービス市場は,ケーブル・モデム・ユーザーが510万世帯,ADSLは220万世帯だった。RHK社は市場が急速に成長した要因として,インターネットを利用する在宅勤務の拡大,Napsterやストリーミング・メディアなどマルチメディア・コンテンツの利用増大,所得の増加の3点を挙げる。

米RHKのADSL市場予測

出典:米RHK

 RHK社によれば,2000年にDSLサービスの提供地域は住宅全体の50%程度にとどまっていた。ここへきて,キャリアがDSLの需要に応えようと動き出しているという。2004年までにサービス・エリアは住宅全体の70%強にまで拡大される見込みである。

 ADSLのほか,主に企業向けのSDSL(symmetrical digital subscriber line)も成長する。2000年のユーザー数は55万5000件で,これが2004年には260万件に拡大するとRHK社は予測する。成長率ではADSLを下回る。SDSLはADSLよりも帯域幅が広いが距離の面では不利である。SDSLは既存のT1サービスと競合しているが,地域電話会社はT1サービスの料金を大きく引き下げて多数のユーザーを取り込んでいるとRHK社は指摘する。

 また,2000年にはDSLユーザーの増加に伴い,キャリアによる機器の購入が大きく伸びたが,2001年初めから伸び率は失速しており,今後は大きく落ち込むとRHK社は予測している。

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