「ADSLとケーブル・モデムは半導体市場で共存する。一方の成長が他方の成長を抑えることはない」。米IDC(International Data Corporation)は,米国時間7月11日に発表した1999年から2004年までのADSLおよびケーブル・モデム向け半導体市場の予測のなかで,このようなことを明らかにしている。

 「ケーブル・モデム対ADSLという対決の構図は成り立たない。主に,ケーブル・モデムは家庭ユーザ向けで,一方のADSLはSOHO市場向け。双方の技術にはそれぞれの“持ち場”がある」(IDCのアナリスト,Kimberly Funasaki氏)。

 現在のところ,ケーブル・モデムがADSLをしのいでいるが,2001年にはADSLがケーブル・モデムを出荷台数で追い抜き,2004年にかけてADSLはケーブル・モデムを上回る成長率で拡大すると予測している。ADSLは1999年の200万台弱の水準から年平均成長率67%で拡大し,2004年には2400万台を超える規模に成長する。一方のケーブル・モデムは,1999年の200万台強の水準から同58%で拡大して2004年には2300万台弱の規模となる見込み。

 なお,ケーブル・モデムやADSLといった広帯域接続市場が成長すると,ISDNやV.90モデムが落ち込むことになる。また,ADSL市場では,フル・レートのADSL製品の拡大により,G.Liteが後退するとIDCでは予測している。

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