「米国とカナダを合わせた北米地域におけるインターネットの広帯域接続サービスの加入者数は780万世帯で,このうちケーブル・モデム・ユーザーが550万世帯,DSLは230万世帯である」。広帯域インターネット市場の調査を手掛ける米Kinetic Strategiesが米国時間3月1日に調査結果を発表した。ケーブル・モデムが市場の7割を占めているという。

 2000年における新規加入者数は,ケーブル・モデムが300万世帯,DSLが140万世帯だった。2000年第4四半期のみをみると,ケーブル・モデムが100万世帯増えたのに対し,DSLが55万3000世帯増だった。

 2000年末時点で,北米でケーブル・モデム接続が利用できるエリアにある世帯は6400万世帯。これはCATVサービスの提供地域にある全世帯の59%を占める。

 サービス・プロバイダは,米AT&T Broadbandと米AOL Time Warner傘下のTime Warner Cable社がそれぞれ100万世帯以上の顧客を抱えてリードしている。

 ケーブル・モデムの標準規格「DOCSIS(Data Over Cable System Interface Specification)」に準拠したケーブル・モデムの世界市場は,出荷台数ベースで2000年に600万台を突破して,前年比6倍に拡大した。このうち北米市場が全体の68%を占めているという。北米市場は1999年の71万8000台から2000年には480万台に大きく伸びた。

 DOCSIS準拠のケーブル・モデム市場をベンダー別にみると,米Motorolaが38.1%のシェアを占めて首位を堅持している。米3Comが17.2%,東芝が13.2%,仏Thomson Multimediaが11.4%となっている。

 なおKinetic社は,ケーブル・モデム情報サイト『Cable Datacom News』を運営している。

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