米IDCが米国時間2月8日に,世界のDSL(digital subscriber line)市場を調査した結果を発表した。

 それによると,世界におけるDSL加入者(インストール・ベース)は1999年に447%増加した。DSLの導入は,2000年の450万回線から2004年には6640万回線にのぼるという。

 「より速いインターネット接続への要望は,特に在宅社員やホーム・オフィスなど家庭で仕事をするユーザーの間で強く,サービス・プロバイダはDSLへの対応を進めざるをえない。2003年にはDSL加入者数が,ケーブル回線を介したインターネット接続を利用するユーザー数を超えるだろう。しかし市場は,標準規格の急速な変化,インストールや供給の課題,またケーブル回線や固定無線といった広帯域技術との競争などの問題に直面する」(IDC,Broadband Markets and Technologiesプログラム上級アナリストのAmy Harris氏)。

 世界におけるDSL回線のうち,現在米国が占める割合は50%をわずかに上まわる。2004年には米国のDSL回線は11倍に増加し,約2600万回線に達するとみられる。しかし市場シェアは34%まで縮小する。「DSLへの期待は米国に限られたことではない」(IDC)。

 DSL業界が抱える財政的問題は,資本経費が顧客による収入を上まわっていること。「ネットワーク・サービス・プロバイダがDSL装置の購入と導入にかける支出額は,顧客のサービス利用料による収入よりはるかに多い」(IDC,BroadbandプログラムのディレクタBrad Baldwin氏)。

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