今週はじめ、米Intelが新チップセット「Intel 6シリーズ」の不具合を発表した。突然の知らせを受け、同製品をパソコンの春モデルに組み込んで販売する国内パソコンメーカー各社は、対応に追われている。
NECは春モデル全20機種のうち10機種の出荷時期が未定という異例の事態となった。当該チップセット搭載のパソコンを発売済みの富士通は、回収を視野に入れた協議を進めているという。
Intelによれば、不具合を修正したチップセットの製造を既に開始しており、2月中に提供を開始する。供給を完全に回復させるのは4月の見込みである。マザーボードメーカーの台湾ASUSTeK Computer、GIGABYTE TECHNOLOGY、MSIは、修正版チップセットを搭載した製品の出荷時期を4月頃と見込んでいる。
一年の中でパソコンが最も売れるのは、入学・就職を控えた3月。「Intel 6シリーズ」を多数の機種に組み込んだパソコンメーカーは、春商戦で苦しい戦いを強いられそうだ。
新型チップセットが急きょ出荷停止
「Intel 6」シリーズチップセットに設計上の不具合、出荷停止
過去に発生したIT機器のリコール
今回、不具合があったのはチップセットだが、過去にはさまざまなリコールがあった。プロセッサーやパソコン用バッテリー、電源アダプターなどが回収・交換の対象となった。バッテリーのリコールが比較的多い。
HP、ノートPC用バッテリ7万個を自主回収、発熱・発火の恐れ
Apple、iPhone向け小型USB電源アダプタをリコール
ソニー、米国で「VAIO TZ」7万3000台を自主回収、異常発熱の恐れ
イー・モバイルがデータ通信カード「D02OP」を自主回収へ、一部PCで不具合
auの「W42K」で電池の発火・破裂など13件相次ぐ、交換へ
電話帳やメールが消失の恐れ、ドコモがソニエリ製携帯電話を販売停止
Gateway、ノートPC用バッテリ約1万4000個を自主回収へ
Lenovo、ThinkPad用の三洋製バッテリを自主回収、全世界で20万個以上
レノボがThinkPad 50万台のバッテリ回収、ソニー製バッテリの発火事故を受け