米Intelが3GHz動作の最新Pentium 4を正式発表した4月14日(米国時間)に,同社はこのプロセッサをリコールした。理由は,製造したプロセッサの少量にしか影響を与えないような小さなバグだった。3GHzのPentium 4プロセッサは800MHz動作のシステム・バスと400MHz動作のDDR(Double Data Rate)メモリーをサポートしている。米Dell Computerや米Gateway ComputersなどのPCメーカーは,最新プロセッサとチップ・セットを搭載したPCを用意し,同日には受注開始する準備が整っていた。さらに,リコールのニュースが届く前に,PCメーカーはプレス・リリース(製品発表文)を発送済みだった。この問題は過去の悪名高いエピソード(Pentiumプロセッサの計算エラー問題やプロセスIDフラッグ問題)ほど深刻ではなさそうだが,それでも広報担当者たちは動揺していた。

 問題の発見が製品発表の直前だったため,Intelは製品発表を予定通り実施した。ただし,「当社は新製品を発表したが,いくつかの問題を解決するまで出荷は延期されるだろう」とIntel TaiwanのGeorgine Lin広報マネージャは話す。Intelは1週間以内に出荷スケジュールを変更するという。「これは本当に小さな問題だ」とIntelは説明する。

 Intelが新設計のPentium 4を出荷すると,そのプロセッサを搭載したPCを買う人々は,その時点でトップ・グレードのマシン(3.06GHz動作のPentium 4プロセッサや533MHzのシステム・バスを搭載)より優れたパフォーマンスを経験するだろう。Intelによれば,新しいシステム・バスは従来と比べて50%も高速になるという。ただし,バスの改良がシステム全体でどれだけの性能向上につながるのかは不明である。Intelの最速プロセッサに関する問題は,プロセッサ以外の部品がプロセッサの性能向上に追い付かなかったことだ。一般的なPC上では,システム・バスやハードディスクなどのコンポーネントはしばしばボトルネックになる。