中国のLenovo Group(聯想集団)と米国消費者製品安全委員会(CPSC)は,ノート・パソコン「ThinkPad」用バッテリの自主回収を実施する。Lenovoが米国時間3月1日に明らかにしたもの。落下などによって衝撃を加えると発熱の恐れがあるという。

 問題のバッテリは,「ThinkPad R60」「同R60e」「同T60」「同T60p」「同Z60m」「同Z61e」「同Z61m」「同Z61p」に装着可能な9セルの大容量リチウムイオン・バッテリ「FRU P/N 92P1131」(部品番号)。全世界で2005年11月~2007年2月に出荷した。標準の6セル・バッテリは対象外。Lenovoの発表資料では回収対象品を約20万5000個としているが,同社のバッテリ回収情報ページには20万8000個と記載している。

 Lenovoによると,問題のバッテリを装着したノート・パソコンに強い衝撃を加えると,発熱してユーザーなどに危険を及ぼす可能性があるという。Lenovoはバッテリを無償で交換する。交換前にノート・パソコンを使う場合は,バッテリを外してACアダプタで使用するよう呼びかけている。

 なお,回収対象のバッテリを製造した三洋電機は,「発熱の原因はバッテリ・セル自体と無関係」とする声明を発表した。声明の主な内容は以下の通り。

 「バッテリ・パックは仕様と内部試験基準を完全に満たしており,(これまでに5件確認されている)いずれの発熱事例もノート・パソコンの特定モデルに特定の角度で外部から強い衝撃を加えたときに起きた」(三洋電機)。

[発表資料(Lenovo)]
[発表資料(三洋電機)]