「プログラム」や「データベース」は、IT業界のみならず、あらゆる企業にとって重要な知的財産となりうるものだ。知的財産権に関する法律としては、特許法、著作権法、不正競争防止法、商標法、意匠法、半導体集積回路の回路配置に関する法律などがある。

IT事業と知的財産権法の関係(連載「松島淳也のIT法務ライブラリ」より引用)
法律の名称IT事業との関連性
特許法物の発明にはマイクロプロセッサやメモリー等のハードウェアに関する発明のみならず,ソフトウェア(プログラム)に関する発明も物の発明に含まれることが明記され(特許法第2条3項1号),一定の技術思想が保護の対象とされています
意匠法パソコンや携帯電話の筐体の形状のみならず,プログラムを実行した際に表示される画面も一定の条件のもと,保護されることが明記されています(意匠法第2条2項)
著作権法プログラムやデータベースが,一定の条件を満たす場合,著作物として保護されることが明記されています(著作権法第10条1項9号,同法第12条の2)。
不正競争防止法ハードウェア,ソフトウェアのいずれに関連するものであるのかを問わず,営業秘密(不正競争防止法第2条6項)に該当する場合,一定の保護を受けることができます(同法第3条,第4条等)
半導体集積回路の回路配置に関する法律同法では「半導体集積回路における回路素子及びこれらを接続する導線の配置」(回路配置)に関し,一定の保護を受けることが明記されています(同法第10条,第11条等)

 ここではIT事業で問題となった具体的な裁判例をできる限り多く取り上げたうえで、IT事業と知的財産権法とのかかわりについて分析していく。


各種知的財産権法とIT事業の関係

ソフトウェアが特許として認められるための要件

特許権によるソフトウェア発明等の保護を検討する

ソフトウェアやシステムに関する特許権の間接侵害等を検討する

特許権が無効と判断されることによる権利行使の制限を検討する

著作権法の概要と職務著作

著作権を譲渡する場合の注意事項

著作権のニ重譲渡をめぐる問題

表示画面に注目した著作権によるソフトウエアの保護

ソフトウエアはプログラムの著作物として著作権で保護されうる

ソフトウエア(プログラム)は営業秘密としても保護されうる

法律の使い分けでソフトウエア(プログラム)の保護を図る

著作権等によるデータベースの保護

著作権法上の技術的保護手段と不正競争防止法上の技術的制限手段

リサイクルビジネスや中古品ビジネスと消尽理論の関係