米国科学財団(NSF)は,電子投票システムの開発に,5年間にわたって750万ドルを投じる。NSFが米国時間8月15日に明らかにした。資金援助を受ける学術研究機関は,既存の電子投票技術の問題を査定し,事実上,改ざん不可能な電子投票システムおよび技術標準の開発に取り組む。

 NSFが出資する研究センターの名称は「ACCURATE」。「A Center for Correct, Usable, Reliable, Auditable and Transparent Elections」の頭文字をとったもので,ジョンズホプキンス大学,カリフォルニア大学バークレー校,スタンフォード大学,アイオワ大学と,非営利団体の米SRI Internationalから研究者が参加する。

 また,ライス大学は150万ドルを受け取り,コンピュータ・セキュリティとヒューマン・ファクタに関する2つの研究プログラムを進める。

 ACCURATEのディレクタを務めるジョンズホプキンス大学教授のAvi Rubin氏は,より信頼性の高い投票システム向けソフトウエアおよびハードウエアの構築に取り組むという。同氏のチームは,各種のソフトウエア技術を比較およびテストして,バグやセキュリティ・ホールを特定するほか,改ざんに対してより強固な投票システムを作成するためのハードウエア技術を検討する。

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